ディアトロフ峠事件

1959年2月2日、当時ソビエト連邦のウラル山脈のホラート・シャフイル山において、男女合わせて9人が謎の死を遂げ、話題となった。
この事件では多くの奇妙な点がある。
当時、現場となったホラート・シャフイル山のディアトロフ峠はマイナス30度という極寒であった。
にもかかわらず、テントを内側から切り裂かれた跡があり、裸足で外に飛び出した形跡があったとされている。
遺体に争った形跡はないものの、頭がい骨を骨折している者や、肋骨を損傷している者、中には舌が切り取られている者もいたという。
さらに、何人かの遺体からは放射線が検出されたという事や、全員衣服が交換して着せられていたという情報もある。
あくまでも想像だが、状況からして、まず急いでテントからでなければいけない緊急事態が発生した。
しかし、出入口が何らかの理由で開閉不可能となり、内側からカッターなどでテントを切り裂いて外に脱出した。
脱出したは良いが、軽装のまま外に出てしまった為、マイナス30度の極寒で凍え死んでしまった。
こういった状況が思いつくのだが、それでも腑に落ちない点が多々あるのだ。
たとえば、着用していた衣服が入れ替わっていたりとか、舌が切り取られていたり、眼球が飛び出ている者もなどもい。
、突発的なトラブルや事件では片づけられない。
また、それぞれ大きなケガはしているものの、直接死に結びつくものはなく、全員が低体温症が直接の死因となっている。
なぜマイナス30度という世界で裸足で、しかもテントの内側からカッターかナイフで、テントを切り裂いて慌てて外に飛び出した格好だ。
一体何があったというのだろうか?

[仮設1-何者かの襲撃説]
事件現場一帯はマンシ人という先住民が生活していた。
当初、こういった先住民などに襲われたのでは?という説もあったが、隊員たちの足跡意外に痕跡が見つからない為、暴漢などに襲われたという説も崩された。
足跡がないわけだから、クマなどの動物による襲撃もないことになる。

[仮設2-超常現象をはじめとする様々な説]
この地方では元々「光の球を見た」等、UFOを連想させる目撃談が相次いで報告されていう。
また、「軍の秘密兵器によるものではないか?」等、様々な説が浮上した。
そんな中で、現在のところ最も有力視されているのが「雪崩説」である。
これなら突然テントの内側からカッターで切り裂いて外に出ようとする慌てっぷりもうなずける。
また、肋骨に激しい損傷を受けた事なども説明がつく。
しかし、雪崩説は一つだけ大きな謎が残るのだ。
雪崩だけでは説明がつかないいくつかの現象もあるのだ。
例えば、遺体の一部が舌を失っていたり、眼球が失われていた事は到底説明ができないのだ。

●死因
9人にうち、3人は外的損傷、6人は低体温症である。
これらの死因は、「雪崩説」を裏付けるものであるが、一向の足跡の件では雪崩説を否定するものとなり、矛盾が生じてしまうのだ。

●他にもある不可思議な現象
例えば、遺体の一部から「高い濃度の放射線が検出された」という事実や、何人かの遺体情報の中に、「内臓の損傷などが書かれていない」など、疑惑がいくつか浮上している。

●最終的な死人について
1959年5月、最終的にこの事件に「犯人はいない」ものとして、正式に処理された。
不可解なことに、
1990年代になっていくつかの機密文書が見つかったが、一部の文書が紛失されており、謎は闇に包まれたままである。